大視協 一般社団法人 大阪市視覚障害者福祉協会

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大視協ジャーナル 8月号 第518号

談話室

山本祐憲さん80歳、アイフォンに挑む   

インタービュー 山口文代

今、世を挙げてデジタル化社会に早足に移行しつつあります。誰一人取り残さないとの触れ込みではありますが、高齢者や視覚障害者、とりわけ高齢の視覚障害者には難儀な話です。
大視協では、スマホに馴染んでもらうために講座を継続的に開講しています。スマホの中でも視覚障害者にはアイフォンがより便利で豊富な機能を持っているのでアイフォン講習会を毎月開催しています。
受講者の山本祐憲(やまもと すけのり)さんに山口文代が話を伺いました。山本さんに成り代わってレポートします

私はまだアイフォンを持っていないので、その機能や便利さを試してみるために大視協のアイフォン体験講座に参加しています。日頃はガラケーを使っています。
実は今までは、ガラケーで満足していました。そんな私がアイフォンに挑戦しよう思ったのは、川越会長から「大阪あいねっとを二人で担当しましょう」と誘われて、私も一緒にやりたいと思ったからです。大阪あいねっとは、眼科医や視覚障害関係団体が協力して視覚に障害が生じて悩んでいる人たちの相談に乗るのが主な任務の団体で、大視協もそのメンバーです。
そんなわけで、初めてアイフォン講習会に参加したのは、今年の4月。80歳からの挑戦ですので、慣れるのに時間を要した操作もあります。たとえば「スワイプ」という操作(スライドと同じ)は、「引っかかっている」とよく言われました。繰り返すうちにスムーズに出来るようになりました。それにしても、アイフォンの便利な機能の多さにはびっくりです。特に、道案内の機能は助かります。かつて出張治療に行っていた頃は、間違えて隣の家に入ったりもしました。このアプリがあれば一人で不慣れな道でもたどり着けそうです。活字を読んでくれるアプリも魅力的です。郵便物や冷蔵庫の中の物の確認など自分でできますからね。自分が今着ている服が何色かを教えてもらえる機能もあります。
また、講師の先生は視覚障害者で、ご自身も目の代わりになるアプリを活用しながら、同じ立場で教えてもらえるのでとても分かりやすいです。
最後に私から、アイフォンを持とうかどうか迷っている方へのメッセージです。触ってみれば良さが分かります。まずは、体験してみることをお勧めします。
写真:アイフォンを手に、笑顔の山本祐憲さん